投資信託 入門にライバル出現!

さまざまな種類があるにもかかわらず、「これさえ見れば絶対」という〃決定版〃はないといってよい。 まず、一口に景気といっても、大は世界や日本の景気から、小は企業や個人商店の繁盛ぶりまで、さまざまな段階がある。
前者はマクロ景気、後者はミクロ景気と呼んで区別されるが、両者の間には時期や程度などでギャップが見られることがたびたびある。 マクロ景気とミクロ景気、何が景気の指標になるのか〜Dと景気との対応関係などのマクロ指標に注意を払うことはやはり重要である。

マクロ景気の信号機として最も有名なのは、経済企画庁が毎月発表している景気動向指数D(一致指数)(D)であり、専門家の間でもDの解釈をめぐって議論が交わされることが多い(八一頁参照)。 Dは景気の変化の方向を示し、五〇%を超えたら拡大、五〇%を割ったら後退という基準を設けている。
しかし、一カ月だけではブレがあるため好不況の判断はむずかしく、三カ月連続して五〇%を超す、あるいは割るかどうかが実際の判断基準になっている。 Dが五〇%ラインを下から上に向かって通過する時期を「景気の谷」、逆に上から下に向かって通過する時期を「景気の山」と呼んでいる。
すなわち、谷は不況が底入れ(底打ちともいう)して景気回復に向かう変わり目、山は好況がピクを迎えて景気が後退期に向かう変わり目、ということができる。 のように、内部からジワジワにじみ出てくるような転換点の場合、その時点ではわかりにくい。
このため、専門家の間でも、どの指標を重視するかで意見が違ってくることも多い。 生産面を重視する人は鉱工業生産指数や自動車生産台数などの変化に注目する。
金融面を重視する人は、マネーサプライの増減や各種金利動向から景気を判断しようとする。 また、国際経済とのつながりを重視する人は、貿易額や交易条件の推移、半鍾菅レート、各国の金利差などに敏感になる。
生活面に敏感な人は、物価動向や実質賃金の伸びなどに注目する。 逆にいうと、すべての指標が同時に良い、または悪いということはあまりなく、データによって良し悪しが時系列的にズレ込む方が恋具体的に、山と谷をどうやって判断するかというと、経企庁は景気の大きな転換点に来たころを見定めて、経済学者やエコノミーストなどの有識者を集め、「景気基準日付検討委員会」(仮称)を設置する。
そこで、Dをはじめとする景気に関するあらゆる資料と意見を集め、委員会として、いつが景気の山、谷であるかを経企庁に〃答申〃する。 これを受けて経企庁が判断を下すのである。
景気の転換期は、その時々によってかなり様相が異なっているのが普通である。 七三年、七九年の二回に及んだ石油ショック、戦後初の国債発行によってピリオドを打った「四十年不況」のように、だれが見てもはっきりわかる転換期なら問題はないが、「バブル崩壊」法でマクロの信号機を作ることもできる。

GDP統計の理論を使って予測する方法である。 GDPには生産、支出、所得の三つの側面があり、この三つは等しくなるという「三面等価の原則」を利用するのである。
生産と所得面からの統計は年一回しか出ないが、支出面の統計は毎月、四半期ごとに出る。 これらの統計を積み上げ、過去のGDP伸び率からの延長線を引けば、一定の数値が出てくる。
各種信号機を最も科学的に使った方法であり、実は、シンクタンクなどがコンピュタを使って経済予測をする計量経済モデルも、基本原理は同じである。 しかし、「そんな面倒な分析をしても、あまり当たらないではないか」という見方に立てば、GDPなどの結果をそのまま引き伸ばす方法もある。
これは株価や為替レートの予むしろ普通だ。 このため、最後の決定的な判断材料になるのが、Dを中心にした景気基準日付なのである。
したがって、Dの三系列が採用している三〇項目の統計を一つ一つ丹念に調べ、どの項目が弱り、どの項目が健在か、伸び率やマイナス幅などを調べることはとても重要である。 これらの項目はいずれも、マクロ景気に読とって基本的な信号機だからである。
勢たとえば、「機械受注」はその典型だ。 これは企業の設備投資の状況を表す指標で、「機械受注」が減少すると景気は近く後退、蝿逆に増えると景気は近く拡大すると読めるか姉らである。
魂鯵GDP統計から景気を読む法忽D採用項目を中心に、さらに専門的な方調査、日銀の企業短期経済観測調査(通称、日銀短観)などがその代表例である。 ただ、近年はマスコミの発達などで、企業や個人の景況感が報道内容に影響される度合いが強まっており、ヒアリングが客観的なデータとしてどこまで信頼できるか、問題がないわけではない。
とくに個人消謹呈は、実際にそれほど景気は悪くなくても、「景気が悪い」と騒がれると財布のヒモを締めるのが普通だ。 九七年にH拓殖銀行、Y謹券といった大型金融破綻が相次いだ時、マスコミが一斉に「大企業の倒産」を報道したところ、個人消費がパッタリ止まったのは記憶に新しい。
マスコミ報道も景気の信号機の一つになってきた、といえるかもしれない。 よく使われる方法で、「ケイ線分析」「チャト分析」ともいわれる。
この方法の欠点は、伸び率の示す意味がわからないこと。 たとえば、製品在庫を考えてみよう。
在庫率が高くなった時、その原因は企業が販売増加を狙って意図的に在庫を積み増したのか、景気が悪くなって意図しない在庫が積み上がったのかわからない。 その時期の生産状態や企業収益などを調べないと、原因はつかめないのである。

ところで、政府やエコノミーストらが意外に頼りにしているのが、多数の企業や個人に先行きの見通しや消費計画などを直接ヒアリングする方法である。 経済企画庁の法人企業動向調査、消費動向Dは景気に敏感な経済指標を選び出し、その変化の方向を合成して、加工をほどこしマクロの景気指標として注目されているのは、景気動向指数である。
景気動向指数には、デフュジョン・インデックス(D)、コンポジット・インデックス(C、)の二つがあるが、通常、景気動向指数といえばDを指す。 経済企画庁が毎月、二カ月遅れで公表しており、景気判断の有力指標として、常に話題になっている。
た景気指標である。 Dは景気に先行して動く先行指数、景気と一致して動く一致指数、景気に遅れて動く遅行指数の三系列に分かれる。
先行指数に採用されている指標は機械受注、マネーサプライ(通貨供給量)、新設住宅着工床面積など二項目。 一致指数には鉱工業生産指数、電力使用量、百貨店販売額、有効求人倍率など二項目。
遅行指数には最終需要在庫率指数、完全失業率、家計消費支出など八項目が採用されている。 全部で三〇項目の指標が使われているが、Dの発表を始めた一九六〇年当時はそれぞれ、三カ月前と比べ、増えていればプラス、減っていればマイナス、同じなら横ばいとする。

在庫率や失業率は、数字自体は三カ月前より減っている方が景気にはプラスになるので、「逆サイクル」指標と呼ばれる。 そうして、プラス項目の数を足して全体の項目数で割った比率がDである。
三カ月前と比べるのは、月々の不規則な動きをできるだけ取り除き、正確な傾向をつかむためだ。 一般に統計では、不規則性を取り除く方法として、移動平均法という方法が用いられる。

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